お彼岸が過ぎて日中はだんだんと暖かくなってきました。
先月から始めた剪定作業も一区切りし、今日は午後から友人達とお花見です。
夕暮れ時に満開の桜の下で少しずつ散る花びらに風流を感じながら親しき友人達とお酒を交わします。
思いおこせば私の父は、仕事よりも文化や文学を愛し、農作業をしながらでも季節の花や小鳥の囀りを楽しむ人でしたが、どうやら私も似たような性格があるみたいで、
友人達と桜の下でお酒を交わすと、ある有名な漢詩が頭の中で沸き起こってきます。
「勧酒」(かんしゅ)
勧君金屈巵 満酌不須辞 花発多風雨 人生足別離
(君に勧む金屈巵 満酌辞するを須いず 花発けば風雨多し 人生別離足る)
この詩を読んだのは、かつて中国の唐の時代の詩人、于武陵です。
この有名な漢詩を日本人作家の井伏鱒二が井伏流に翻訳したのはかの有名なこの文章です。
「コノサカヅキヲウケテクレ ドウゾナミナミツガシテオクレ ハナニアラシノタトエモアルゾ (サヨナラ)ダケガジンセイダ」
意味は、君にこの金色の大きな杯を勧める なみなみ注いだこの酒 遠慮はしないでくれ 花が咲くと雨が降ったり風が吹いたりするものだ 人生に別離はつきものだよ。
なんともわびさびのある詩ですね、出会う喜びもあればやがて別れの寂しさもやって来る。
人生とはそうゆうものだよ。深いですね!
春夏秋冬、厳しい冬を乗り越えるとやがて花開く春がやって来て太陽が照りつける夏を迎える、やがて夏の終わりと共に黄金に実る秋を迎え宴の終焉のように厳しい冬えと入っていく。
四季それぞれの趣きに日本の美しさがあります。それは私達日本人が持つ特権であり、感性であります。
四季がある国に生まれ住んですばらしいですね。
酔いも回ってきて感傷的になるみかんの執事でした。
今回も最後までおつきあいいただき、ありがとうございます。🙏