みかんの執事

みかん執事のひとり言。

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「あしたのジョー」の名シーン①

 

f:id:kriatenluciana:20230701184244p:imageお題「あのアニメのこのシーンが好き」

私の幼少期には、数々の名作アニメがテレビ放映されていました。「ルパン3世」「ドラえもん」「キャンディキャンディ」や「アルプスの少女ハイジ」「フランダースの犬」「母を訪ねて三千里」などのハウス名作劇場シリーズなどなど、その他にも紹介しきれないほどの名作アニメがリアルタイムで放映されていました。

そんな名作ぞろいのアニメの中でも、私は「あしたのジョー」が特別好きで、その後の私の人生感にも影響を与えた思い入れの強いアニメです。そこで今回のお題「あのアニメのこのシーンが好き」には、私が選ぶ「あしたのジョー」の名シーンをご紹介いたします。

 

アニメ「あしたのジョー」とは?

あしたのジョー」は高森朝雄(梶原一騎)原作ちばてつや作画のボクシング漫画で、週刊「少年マガジン」で1968年から1973年まで連載されました。その後、テレビアニメ化され、やがて劇場版アニメなども公開され非常に大ヒットした作品です。

あらすじ。

流れ者の不良少年である矢吹丈が、ボクサー崩れの酔っぱらい丹下段平と出会い、ボクシングと言うスポーツを通しての更生や生涯のライバルとの出会いや別れ、彼をとりまく女性達との不器用な関係など、さまざまな苦難と死闘とも言える闘いを乗り越え不器用ながら成長し、世界タイトルマッチに挑むのです。

泪橋を逆から渡る。

丈が少年院から出所し、段平につれられて向かった所は、泪橋の下に作られた「丹下拳闘クラブ」であった。その時段平が丈に「この橋はな、人呼んでなみだ橋という。いわく人生にやぶれ生活に疲れはててこのドヤ街に流れてきた人間達がなみだで渡る悲しい橋だからよ。三年ほど前のわしもそうだった。おめえもその一人だったはずだ...」

「だが、今度はわしとおまえとで、このなみだ橋を逆に渡り、あしたの栄光をめざして第一歩を踏み出したいと思う。わかるか、わしの言うてる意味が...?」さらに、

「拳闘界に生きようとすることは、辛いこともあれば苦しいこともたくさんある、涙はやっぱつきものさ。だが、これは負け犬が流すくそ涙じゃねえ。厳しい精進のために流す立派な汗の涙だ!」

丹下段平のなんて前向きな発言ではないでしょうか?。私は何かを新たに始める時にはこのシーンを思い出し、気持ちを奮い立たせます。人生の背中を押してくれる名シーンです。

永遠のライバル力石徹

やはりシリーズの前半においてのもう一人の主役である力石徹とは、少年院での出会いからプロのリングでの対戦や別れまで、さまざまな名シーンがあります。やはり、力石徹を語る上では減量シーンを抜きには語れません。

元々フェザー級(57.15キロ)であった力石徹バンタム級(53.52キロ)の矢吹丈との対戦を実現させるためにバンタム級まで減量し矢吹との対戦にこだわったのでした。元々体の大きい力石は、フェザー級でもキツいのに、矢吹との対戦に備え、再デビューはフェザー級でおまけにバンタム級まで落とします。(その差3.63キロ)もうすでに余分な肉がない体から3.63キロの減量は人間の限界を越えるものです。

減量が極限に達した力石は自我を失い水を求めます。それを見かねた白木葉子が白湯を差し出しますが、力石は我にかえり白湯をすててしまい、「この痩せさらばえたカサカサの身体でみごと矢吹丈と打ち合ってみせます。」と宣言するのです。

矢吹と力石は少年院時代はお互い衝突し憎しみ合う関係でしたが(元プロボクサーの力石に矢吹はまったく歯が立たなかった)その後同じプロボクサーとして成長していく矢吹を力石はライバルとして認め、お題いにリング上での対戦を熱望し、勝負にこだわるのです。力石徹の勝負に対する鬼気迫る執念を感じられる名シーンです。

食えなかったじゃない、食わなかったんだ!

これは東洋チャンピオンの金龍飛に挑戦した試合での矢吹丈のセリフの一部です。

試合前、減量苦に苦しむ矢吹に金龍飛が幼少期に体験した壮絶な記憶がトラウマになり(戦時下における空腹から兵隊を殺害し食糧を奪ったが、彼が殺害した兵隊は自身の父親だった) あまり食事を受け付けず、少量の食事だけあればじゅうぶんなんだと金は語り、「減量苦だと?はっ そんなものわたしにいわせるなら、すくなくとも過去に腹いっぱい食った時期があり、だらしなく胃ぶくろをひろげてしまったやつのぜいたくさ」と矢吹に向かって言い放ちました。

そして、試合が始まり精密機械と呼ばれる金を相手に矢吹は苦戦し、金のパンチと金の壮絶な過去に矢吹は打ちのめされてしまいます。

しかし、諦めかけていた矢吹の心を蘇らしたのは力石徹でした。矢吹はかつて階級を下げてまで自身との対戦を実現させた力石と金を比較し、金は食えなかったが力石は食わなかったんだ!

「みずからすすんで地獄を克服した男がいたんだ!おなじ条件で!人間の尊厳を!男の紋章ってやつを!つらぬきとおして死んでいった男をおれは身近に知っていたんじゃねえか!」

私にとってこのシーンはとても意味が深いように思えます。生まれながらの生い立ちや境遇の違いからのハンデはありますが、それは境遇にたいしての哀れみなどの感情であって、人格とは別物です。矢吹と言う男は感情的であり、金の過去に感情的に動揺しただけであり、実際には精密機械と表現される金の理性的なスタイルに苦戦していたのです。

しかし、同じ理性的な金と力石を比較した時、人格やボクシングの全てにおいて力石の方が優っていたのでしょう。

あとがき。

今回のお題「あのアニメのこのシーンが好き」に関して「あしたのジョー」の名シーンを少しだけ紹介いたしましたが、とても一回だけではご紹介しきれませんので、何回かに分けて紹介していきたいと思います。かつて放映されていた連続テレビアニメでは「あしたのジョー」と「あしたのジョー2」とにシリーズが分かれていて、今回は「あしたのジョー」からの名シーンを紹介する予定でしたが、力石にスポットをあてると減量シーンがあまりにも壮絶なので、その後矢吹も経験する減量苦にまつわる金龍飛戦にもスポットをあててみました。(東洋タイトルマッチは「あしたのジョー2」である)

矢吹丈と言う男はケンカっ早く破天荒な男ですが、どこか寂しげでそれでいて非常に優しく、過去の対戦相手や近所の子供達をとの関係を大切にします。そのようなギャップが魅力的で人を惹きつけます。私もそんな矢吹丈がだいすきです。

ぜひ機会があれば「あしたのジョー」を見て下さい。

今回も最後までおつきあいいただき、ありがとうございました。🙏