春になり、気温の上昇とともにみかんの木も活動を始めます。
今回は、定植した苗木の管理作業です。
こちらは、昨年植えた定植2年目の向山温州という品種の苗木です。
(チラホラと白い花の蕾が見えますね!)
昨年植えてから1年たっているので、ひと回り大きく成長しています。
しかし、幼木はこのまま花を咲かせて、実を成らせても、みかんの品質はあまり良くありません。それに幼木のうちからたくさんの着果負荷をかけると、木がこせて(小さいや細かいの意味)樹勢が低下してしまいます。
植え付けた苗木を、早く大きく成長させる為には、幼木期の摘蕾作業は必要不可欠です。
今回は、幼木期における摘蕾作業の重要性についてご紹介いたします。
摘蕾作業
摘蕾作業の目的
植物は地上部で新芽をたくさん発芽させれば、地下部では発芽した分の根が発根します。
たくさん発根すれば、たくさん栄養分を吸収することができ、その栄養分を各枝や芽に供給することができ、植物全体を成長(栄養成長)させるのです。
みかんなど果樹の習性は、子孫を残すために花を咲かせて果実を成らせ、果実の種子を地上に落として繁殖します。(生殖成長)
みかんの木は、花が多く新芽が少ないと、根の発達も制限されます。(生殖成長になる)花を咲かせる為にかなりの体力を使うので、花に供給される栄養分を新芽により多く供給させるために、花を咲かせる前の蕾の段階で全て摘み取ってしまうのです。(栄養成長に誘導する)
摘蕾作業のやり方
方法は簡単です。指で一つ一つ摘み取っていくだけです。
このように手で摘み取ります。根気が必要とする作業です。
(蕾を摘み取り完了。)
このように、花の蕾を摘み取ることによって、蕾があった部分に新芽が芽生えてきます。
新芽が芽生えると、地下の根っこでは毛細根が発達し幼木をさらにたくましく成長させます。
(こせて成長が鈍い木は毛細根が非常に少ない。)
ただ、全ての蕾を摘み取ったとしても、また蕾は出てきますし、それよりも新芽が出る方が多ければ、そのままにしておいても大丈夫です。(花を咲かせ、着果すれば摘果作業で調整します。)
ほんの少しだけみかんの実を成らせたほうが、実が成っている枝の方に栄養分をひっぱるので、成長が早いという理論の農家さんもいらっしゃいます。
一度摘蕾処理をしたのちに再び多くの蕾が出てくるようであれば、その木は弱っているので、また再び摘蕾処理をしてあげて下さい。
時間があれば、そのときついでに芽かき処理もしてあげると、さらなる成長が見込まれますし、樹姿も整えられます。
芽かきとは。
みかんの芽は、春、夏、秋と年に3回新芽をだします。いくつか枝分かれして新芽が出てくるので、自分が伸ばしたい芽を残してそれ以外は、剪除します。
そうすることによって、苗木の成長を促進し、樹姿を整えます。
定植後の水分管理
1週間以上雨が降らなければ、こまめな水やりをしてあげて下さい。また、気温が25度以上続くようであれば、葉の状態を見ながらお水をあげて下さい。
まとめ
定植した苗木を、より早く、より逞しく成長させる為には幼木期の摘蕾作業が必要不可欠です。
方法は簡単で、根気よく手で摘み取っていくだけです。
摘蕾作業をしてより多くの新芽を発芽させ、地下部の根を発達させましょう。
新芽がたくさん出てきたら、芽かき処理をしながら樹姿を整えましょう。
摘蕾作業は成木の樹勢維持や隔年結果の改善対策にも応用できます。
今の季節は、アブラムシが新芽につき害を及ぼすので注意しましょう。(てんとう虫さん頑張って!🙏)
水分管理にも気をつけて成長を見守っていきたいと思います。
今回も最後までおつきあいいただき、ありがとうございました。🙏
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