みかんの執事

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有田みかん極早生品種「由良早生」について

f:id:kriatenluciana:20230913183011j:image本当に美味しい極早生みかん!

これまでの極早生みかんのイメージは、「秋の運動会シーズンに食べるちょっと酸味がある爽やかなみかん。」といった感じの表現で、悪く言えば「水くさい」といった、その後11月に登場する早生みかんが出回るまでの繋ぎ的な存在でした。

しかし、同時期に店頭に並ぶハウスグリーンと比べて価格が安く、それなりの需要があり、私達農家の出荷単価もそれなりに安定していたのです。

そんな中、いまから約20年くらい前に由良早生みかんが出荷されるようになったのです。

由良早生みかんの味は、他の極早生みかんよりもはるかに美味しく、ハウスグリーンやその後に出荷される早生みかんにも負けないどころか、好みによっては他のみかんを凌ぐ評価だったのです。

今回は10月から食べられる極早生みかん、由良早生みかんについて紹介したいと思います。

 

由良早生みかんとは?

和歌山県日高郡由良町が発祥地です。「宮川早生」の枝がわりとして昭和60年に発見され、平成7年9月に品種登録されました。

収穫期は9月下旬から11月上旬くらいで、糖度が高く食味の良いみかんです。

特徴

樹勢は中位で、節間は短め、果実は扁球形。

平坦地で栽培しても食味の良い「菊みかん」になる割合が高い。

過度に水分ストレスをかけすぎると、酸高く果実肥大が進まない。

果皮が薄いので、雨後の果皮裂果が多い。

Sから2Sサイズに仕上がると、高品質で食味最高!

栽培管理の注意点

由良早生みかんは糖度が高く食味に優れ、販売単価も良いみかんです。

しかし他の極早生みかんと比べて栽培管理には注意が必要です。他のみかんと比べて毛細根が少なめですので、水分も肥料分も沢山吸収することができないので、ある程度水分管理や肥料の回数を調整しなければなりません。

あまり果実が肥大しないので、肥大目的で荒摘果を強くすれば、着色遅延などの品質低下につながります。

Mサイズより大きくなれば品質が下がるのでSサイズ狙いの栽培管理を目指しましょう。

収穫後にジベレリン処理すれば有葉花率が高くなります。

私個人の実験

私は数年前に小根(毛細根)が少なく栽培技術が難しい由良早生みかんと、それ以上に栽培技術が必要な石地みかんを、一般的なキコク(枸橘)台木ではなく、甘夏の種を育てた夏台木に接木した苗木を立てました。たまたま植える園地が平坦地であったために、今現在は樹勢が強すぎてあまり果実の品質は良くないです。

しかし、樹齢を重ね樹勢が落ち着いてきて高品質な果実が栽培できたならば、夏場非常に乾燥する山畑などで栽培すれば、おもしろいと思います。後何年かしてデータがとれたらまた紹介したいと思います。

まとめ

みかんシーズンの最初に食べられる甘くて高品質な由良早生みかん。販売単価もよくて、私の地元である有田地方でも極早生みかんの主流になりつつあります。

しかし、味や販売単価が高い反面、ある程度の栽培技術が必要であり、 Sや2Sサイズが主流となるので、栽培面積の割に収穫重量が上がりません。経済栽培の観点からその他の極早生みかんを栽培した時と比較しても、管理の手間を差し引けば、そんなに収益はかわりません。

しかし私達生産者は、「どうせ作るのならば消費者に美味しいみかんを届けたい!」という気持ちで栽培しているので、糖度が高く品質の良い由良早生みかんは魅力的です。

実際他の品種から由良早生みかんに改植している農家さんも多いです。 

極早生みかんにしては値段が高めですが、美味しいので是非一度食べてみてください。

今回は極早生品種「由良早生」について紹介いたしました。

最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。🙏