11月に入り、早生みかんの収穫シーズンとなりました。
9月後半から市場に出荷される極早生みかんと比べ、糖度やコクといった味が格段に美味しくなる早生みかん。
今や早生みかんは、私が暮らす有田地方や全国的なみかんの産地の主力みかんであります。
今回は、11月から年内いっぱいまで楽しめる早生みかんについて紹介いたします。
早生みかんの起源
今現在日本中で栽培されている早生みかんですが、1番栽培面積が多く歴史が古いのが、宮川早生という品種です。
宮川早生の起源は、大正時代に福岡県の宮川謙吉さんの温州みかんの枝変わりから発見されました。
宮川早生は在来品種よりも早熟で大玉かつ豊産生な優良品種であり、その後の交配や枝変わりなどで、さまざまな品種がこの宮川早生から派生しています。
有田地方で栽培されている早生みかんの品種
宮川早生
早生みかんの代表品種であり、有田地方でも1番栽培面積が多いであろう品種です。
やや腰高な球形であり、果皮やじょうのう膜は薄く、糖酸バランスのとれた食味の良い果実です。
節間短く豊産生であり非常に栽培しやすい優良品種です。
興津早生
宮川早生の主心胚実生から選抜されました。
果実はやや扁球であり、宮川早生と比べて樹勢がよく、宮川早生と同じく豊産生である。
宮川早生より若干糖度が高くコクがある。完全着色後も味ぼけしにくく完熟栽培も可能。
まれに、樹の性分により浮皮が見られるものもある。
田口早生
和歌山県有田郡吉備町(有田川町)で興津早生の個体変異として発見されました。
果実はやや扁球であり、減酸や着色が早く樹勢は強いです。
糖度が高くコクがあり、水はけのよい山間部の園地では糖度が上がりやすい。
対照的に水はけの悪い園地などは樹形が暴れやすく、園地を選ぶ必要がある。
これからの早生みかんの代表となるであろう品種。
その他の早生みかん。
有田地方では、上記の品種以外にもさまざまな品種の早生みかんが栽培されています。
原口早生や金8早生や木村早生などそれ以外にも少数ながらたくさんの種類の早生みかんが栽培されています。
まとめ
甘くて種がなく、果皮やじょうのう膜が薄くて食べやすく、消費者に非常に喜ばれる早生みかん。
みかん農家から見ても豊産生で出荷期間も長く経済栽培に非常に適しているみかんです。
有田地方のみかん農家は、早生みかんを基準として考え、そこから前後に極早生みかんや中生•晩生•高糖系•中晩柑や雑柑類などに労力配分をして栽培されています。
また早生みかんの出荷期間が11月上旬から12月いっぱいまでと長いので、着色が早い田口早生から収穫し、その後宮川や興津を収穫するように、園地ごとに品種を作り分けしている農家さんもございます。
私は、宮川早生はみかん界に於いての最高傑作品種だと思っています。
食べてよし、栽培してもよし、母体として宮川早生から数々の品種が派生しています。
今回はこれから年内いっぱいまで美味しく食べられる早生みかんについて、紹介させていただきました。
今回も最後までおつきあいいただき、ありがとうございました。🙏