私の農園には、以前趣味で植えたブラッドオレンジが12本あります。
ブラッドオレンジの中でも、生食に適している「タロッコ」という品種ばかりを、ホームセンターで買ってきて植えたのですが、どう見ても赤みが濃すぎる「モロ」という品種が2本混ざっていました。(たぶん)(上が「モロ」で下が「タロッコ」。)
その2本の「モロ」の木なんですが、とにかく樹勢が強すぎて花も少なく、結実しないのです。(もうかれこれ10年くらい)
ついに私もしびれをきらし、環状剥皮を試してみたのです。
ブラッドオレンジ。
オレンジの一種で、果肉が血のように赤いのが特徴です。果肉だけでなく果皮にまで赤みが見られます。赤みの正体はアントシアニンとよばれる色素です。
味は甘みがつよく適度な酸味もあり濃厚で美味しく、生食のほかジュースなどにも使われます。
環状剥皮。
まず環状剥皮とは、どの様な目的でどの様にするのか説明したいと思います。
環状剥皮とは樹勢が強く実つきの悪い果樹に対して、幹や枝などの靭皮部(樹皮)に狭幅の剥皮処理を環状に行うことです。(つまり、幹や枝のぐるりの樹皮を1cmから3cmくらいまでの幅で剥いてしまう。)
そうする事で樹の上部の葉で光合成によって作られた炭水化物が靭皮を剥皮された事によって、下部への移動が遮断され、それによって上部の炭水化物の濃度が高くなり、花芽分化や果実肥大、着色促進効果などが見込まれます。(剥皮された部分を治癒するために植物ホルモンも活性化する。)(環状剥皮した幹と分化した花芽。)
また、根から吸い上げられた水分や栄養分は、残された木部周辺の管で上部まで移動できますので水分や栄養分は不足することはありません。
環状剥皮の注意点。
しかし、環状剥皮はあくまでも樹勢が強勢の樹の荒治療であります。
樹勢が弱い樹に環状剥皮すると、さらに樹勢の低下を招いたり、下手すれば枯れてしまいます。ですので全く花芽が来ず、徒長枝ばかり伸びる樹にのみ試して下さい。
私自身柑橘類に環状剥皮を試してみるのは今回が初めてであるので(主に蔓性植物に対応する技術で、以前私もキウイフルーツを栽培していた頃に父に教えてもらい、キウイフルーツの環状剥皮をした経験があります。)1本は環状剥皮、もう1本は目傷を入れる樹と、分けて試験してみました。
(目傷を入れた幹と分化した花芽。)
結果的に、環状剥皮と目傷共に蕾が見えてきました。(もしかして切り上げ剪定の効果かも?)
まだまだ結実するまで見守っていきたいと思います。
後日また経過報告したいと思います!
今回も最後までおつきあいいただき、ありがとうございました。🙏
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