お盆が過ぎてもまだまだ残暑が厳しく、夏の農作業は体にこたえます。
さて、お盆が過ぎて一段落したので、我が農園も本格的に摘果作業にとりかかります。
今回はみかんの摘果作業を紹介したいと思います。
摘果作業とは?
品質の悪い果実や、規格より小さいや大きい果実を間引いて、残した品質の良い果実に栄養分が行くようにする大切な作業です。
みかんが成長するたびに、品質の差が出てくるので、樹の状態を観察しながら段階的に作業します。
摘果時期と摘果の種類
みかんの摘果時期は、だいたい7月の中頃から極早生みかんの荒摘果から取り掛かります。
そして、8月後半から9月いっぱいまでに仕上げ摘果を行います。
さらに収穫前に再度品質確認の意味合いで、樹上選別摘果をし、収穫に備えます。
荒摘果
日当たりが悪く、糖度の上昇や果実の肥大が望めない、膝下のスソ果や懐果などを重点的に摘果します。日当たりの良い膝上の果実などは、たとえ傷や品質の悪い果実があっても、食味に影響がでるのでこの時期はまだ摘果しません。
仕上げ摘果
(着果負担で下垂したみかんの木)
8月の後半くらいになると、みかんの樹が着果負担で下垂してきます。そして、果皮もきめ細かくなります。
みかんの木がそのような状態になってきたら仕上げ摘果に取り掛かります。
後期摘果を目的として、荒摘果をせずにこの時期の仕上げ摘果から取り掛かる農家さんも多いです。(品質向上を目的として)
私の場合は樹の状態を観察して、荒摘果か後期摘果かを毎年判断しています。
樹上選別
収穫後の選別作業軽減や収穫作業の軽減として、最後にもう一度さらに品質の悪い果実を摘果します。
私の場合は樹上選別まで完璧に摘果せずに、仕上げ摘果で最後としています。後は品質の悪い天成り果や日焼け果を切り落とすくらいで、あえて秋の害虫被害や腐敗も考えて、あそびをもたせています。
摘果の方法
まずは、小さなスソ果や懐果を摘果します。
膝上からはキズ果や上向果、小さ過ぎる果実や大きすぎて規格外になるであろう果実を摘果します。
何個か連なっている果実も間を間引いて干渉しないようにしましょう。(必ず下向き果を残す)
最終的にみかんの葉が20~25枚に対し果実が1個となる比率になるように意識して作業しましょう。
普通みかんや晩生みかんなどは9月の中頃から取り掛かります。
天成り果や日焼け果などは、早くから取り除くと秋芽が発生し、果実の品質低下に繋がりますので、10月になったらハサミで切り落として下さい。
最後に
みかん栽培において摘果作業は果実の品質を左右する大切な作業です。
何もしなくてもみかんは食べられますが、売り物にはならず、隔年結果を招き収益になりません。
摘果作業や薬剤防除などは夏場の暑い時期に作業しなくてはならず、体力的な負担も大きいです。
なるべく暑い時間帯を避け、朝夕の日差しがおとなしい時間帯に集中して効率よく作業しましょう。
そして日当たりが良くて毎年品質の良い園地から取り掛かりましょう。日当たりが悪い園地や水分の多い園地などは後回しに作業した方が品質管理がしやすいです。
近年連なった果実の間にハナアザミウマが寄生し果実を傷つけ腐敗する被害が報告されているので、間引き摘果で独立果になるように意識しましょう。
残暑厳しいですが、秋の収穫に向けて、体調に気をつけてもうひと頑張りしましょう。
今回も最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。🙏