みかんの執事

みかん執事のひとり言。

※PR アフィリエイト広告を利用しています。

協生農法:自然環境に近い農法のメリットとデメリット

f:id:kriatenluciana:20240206200522j:image自然環境や農作物に関する食料問題、後継者不足による耕作放棄地問題や、地球温暖化問題。

そして、SDGS(持続可能な開発目標)など現時点とそれ以降の問題の対応策を、世界中が模索しています。

そんな中、協生農法という極めて自然環境に近い農法が注目されています。

今回は、協生農法に焦点をあてて調べてみました。

 

協生農法とは?

協生農法とは、現在一般的に行われている科学農薬や肥料を用いた、同一品目の大量栽培型の農業とは違い、人工的に里山に近い環境を作り、一つの園地に多種多様な数品目の野菜、果樹などを自己選定し混同することにより、病害虫が発生しにくい環境にし、無農薬、無肥料はおろか放任栽培も可能とする、より自然環境に近づいた農法です。

協生農法のメリット

管理が非常に楽である。

耕作放棄地の利用などで注目を浴びている農法ですから、作物も自然任せでほぼ放任状態で栽培出来ます。

完全無農薬である。

作物に被害をあたえる害虫などは偏食であり、虫が好きな野菜や果実にばかり被害を与えます。

単一品目の大量栽培だと、どうしても特定の害虫から被害を受けたり、同時に大量の栄養分を土から吸収するので、栄養不足や病気になりやすいです。その対策として農薬や肥料の投入が必要不可欠となります。

しかし、多種多様な野菜と果樹を混植栽培すると害虫が苦手な植物も栽培しているし、天敵昆虫も増えるので、害虫が寄って来なくなるのです。

元々コンパニオンプランツと言って家庭菜園などでは、病害虫軽減目的の多品目多品種混植栽培がありました。

コンパニオンプランツよりさらに混植で自然に近づけているため農薬が必要ないのです。

農作物の味が美味しくて体によい。

昔から旬のものを食べれば体に良いと言われていました。

自然環境で出来る旬の野菜や果物は味が濃くて栄養価も高く免疫生があると言われていますし、医学的にも注目されています。

私達の暮らす日本には四季があります。季節ごとに収穫出来る旬の作物を食べれば健康に過ごせるのではないでしょうか!

自然環境に優しい。

より自然に近づけた農法ですから、生物に害のある農薬や化学肥料も与えないのですから、多種多様な生物も生息しやすくなります。

いつのまにか見なくなった生物も再び見えるようになるかもしれません。

協生農法のデメリット。

沢山の野菜や果実が収穫出来ない。

多品目多品種の農作物を自然任せの栽培するので収穫時期はばらばらです。その時々に実った作物だけしか収穫出来ません。

ある程度の量を収穫したいのであれば、かなりの栽培面積が必要となってきます。

経済栽培には向いていない。

あくまでも耕作放棄地の利用目的や、オーガニックな作物にこだわる人、あるいは自然栽培が好きな人向けの農法です。

協生農法で金儲けしたいのであれば、ある程度の広い土地で会員を募集して、土地を分割し、レンタル及び指導料や管理費などで利益を上げる方法か、独自にオーガニックな食材を求めるレストランや個人のお客さまに対して付加価値を付けて販売する方法です。

いずれにせよ営利目的であれば、ある程度の広い土地が必要とされます。

ある程度の管理は必要である。

いくら協生混植栽培といえど、食べられる農作物というのは自然界では弱者です。

協生農法の理念は、野菜や果物や果樹を混植し、果樹の木の落ち葉や枝に止まる鳥のフンが肥料になると言う考えです。

しかし、長年農業をやっているとわかりますが、鳥や野生動物のフンには、人間はとても食べられないが、鳥や野生動物たちには十分食料となる植物の種が数多く含まれており、そういった植物は我々人間が食べる農作物よりは強く、あらゆる環境でも育ち、そして弱い農作物の養分をも横取りします。それが食物連鎖なのです。

したがっていくら放任栽培といえども、人間が植えた植物以外の植物は管理して取り除かなければ栽培したい農作物が激減してしまいます。

まとめ

協生農法とは、多種多様な野菜や果樹を植え、虫や病気がつきにくい栽培環境を作り出し、より自然環境に近づけた農法です。

無農薬無肥料栽培が出来、栽培管理が非常に楽であることと、植物本来が持つ機能性を持った野菜や果実が収穫出来ます。

近年の農業者人口の高齢化などで発生している耕作放棄地問題などの解決策の一つとして注目されています。

しかし、現在の大量栽培型の農法とは違い、あまり収穫量はあがらないなどのデメリットもあります。

あくまでも耕作放棄地の再利用や自然栽培を考えている人は興味を持ったみてはいかがでしょうか?

最後に。

協生農法は耕作放棄地の再利用や安心安全な野菜や果実の栽培に関心がある人には、レンタル農地や会員性の協生農法の会などは管理も楽であり、チャレンジしてみるのも良いでしょう。

私個人の考え方ですが、農地と言うのはもともと人間が食べる為や営利目的で山林や原野を切り開き、開拓したものであります。

農地が耕作放棄地になったからと言っても、そのまま放置しておけば、草や木が生い茂りやがて元の山林や原野に戻るだけなのでそれがいけない事でしょうか?

昔から農業と言うのは国の政策のしわ寄せを負わされて来ました。

自分の代では一生懸命農業を頑張って来たけれども、子供や孫にまで勧める仕事では無いと断腸の思いで廃業される農家さんも多いです。

食料自給率を無視して工業貿易を優先してきた結果が農業者人口の高齢化と耕作放棄地の拡大です。

たとえ耕作放棄地が山林や原野に戻ろうとも、労力に見合った収入があり、農業に魅力を感じる人口が増えれば、また再び山林や原野を開拓し農地にするでしょう。

自然に近い農法も良いですが、自然に任せてみるのも良いのではないかと私は思います。

今回は注目の協生農法についての紹介でした。

最後までおつきあいいただき、ありがとうございました。🙏