みかんの執事

みかん執事のひとり言。

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軽トラックの歴史と車種減少による存続の危機感。

f:id:kriatenluciana:20230613080902p:image※イメージ画像

はじめに。

農林水産業から建築業や日本の全ての産業において、非常に重要な役割をになう軽トラック。私達農家や中小個人事業者にとっては無くてはならない運搬作業車です。

そんな私達の頼れる相棒とも言える軽トラックですが、以前は各社各種類の軽トラックが製産販売されていましたが、今現在生産されているのはスズキとダイハツの2社だけになってしまいました。今回は私達の相棒である軽トラックについてのお話です。

軽トラックの歴史。

それは戦後の復興を支えたオート三輪の時代まで遡ります。1949年に法律が改正され、「軽自動車」と言う区分が出来ます。しかしその当時の販売されていた軽オート三輪は大型オート三輪の縮小版または二輪車の三輪版(屋根付きのトライクといった感じ)が主流でした。

ダイハツ「ミゼット」の登場。

やがて四輪の軽トラックもチラホラ開発されるようになるなか、1957年にダイハツマーケティングから経済的にオート三輪をも持てなく二輪車や自転車を移動手段としていた小規模事業者にターゲットを絞り、維持費の安さと部品のほとんどを専用設計した車両をコンセプトに開発した「ミゼット」が発売されると大ヒットを記録しました。f:id:kriatenluciana:20230613080956p:image

三輪から四輪の時代へ。

やがて国内のインフラも整い質の良いガソリンも安定供給され出すと、各社が四輪軽トラックの開発を進め徐々に販売されるようになりました。1961年に富士重工(スバル)がキャブオーバー式の「サンバー」を生産発売すると、積載性や操作安定性や運転のしやすさなどで大ヒットしました。やはり性能面で軽四輪トラックは軽三輪トラックを大きく上回っていました。

やがて軽トラックの主流は四輪となり、軽三輪トラックは姿を消してしまうのです。

四輪軽トラックの成長期。

1950年代の軽自動車の規格が360cc以下であった排気量が、1970年代には規格が改正されて550ccまで引き上げられて、よりパワフルにそして利便性を上げ、各メーカーがそれぞれのオリジナリティを持ち中小事業者にとって軽トラックは必要不可欠な存在となりました。私の少年時代などは、「スバル」「スズキ」「ダイハツ」「三菱」「ホンダ」「マツダ」が各社で生産販売していました。各社それぞれに個性がありユーザーの方も各々推しメーカーがありました。そして私達農業従事者の人口もこの頃がピークだったようです。

成熟期からOEM供給の時代へ。

1980年台になると、さらに技術や利便性などが進歩し、4WDを搭載した車両が発売され坂道や悪路走行性能がアップしました。

1990年台になるとさらに規格が改正されてエンジンの排気量が660ccまでアップされ、車体も大きくなりよりパワフルになり積載性もアップされました。

2000年台〜現在は排気ガス規制もあり燃料供給部品がキャブレターからインジェクション(燃料噴射装置)に変更され有害排気ガスを低減し燃費も向上しましたが、各自動車メーカーがコスト優先の経営方針となり販売利益の少ない軽トラックの開発や製造を終了し、特定の自動車メーカーが開発生産された車両をOEM提供で販売するという方法を展開しています。OEM供給のメリットは供給するメーカーは今までライバルであったメーカーに供給する事で生産台数が増える事によってよりコストが軽減され、供給されるメーカーも開発と生産にかかるコストが軽減されます。

ダイハツで生産された車両は「スバル」「トヨタ」にOEM供給され、スズキで生産された車両は「ニッサン」「三菱」「マツダ」にOEM供給されています。OEM供給網を持たないホンダは2021年に生産終了しラインナップから軽トラックは姿を消しました。

フルキャブとセミキャブ。

簡単に説明すると、前輪の位置である。

フルキャブタイプは座席の下に前輪があり、セミキャブタイプは運転席の前方にあります。フルキャブとセミキャブを比較すると両方ともにメリットとデメリットがあります。

フルキャブタイプは運転席の下に前輪が配置されることにより、ホイールベースが短くなるので小回りがきき、足元のスペースが広くて運転がしやすくなります。

セミキャブタイプは前輪が運転席の前方に配置されるためにホイールベースが長くなり、コーナリング操作では安定性があり、衝突時の衝撃もフルキャブタイプに比べて少ないです。

フルキャブタイプとセミキャブタイプのメリットとデメリットが相対する感じですね。

私の場合は山間部の農家であるので、毎回購入する軽トラックは小回りがきくフルキャブタイプです。

軽トラの将来はどうなるのか?

今令和5年度の段階で生産されている軽トラックはスズキのキャリーとダイハツハイゼットの2種類でありその他のメーカーが販売しているのはこの2種類のどちらかからOEM供給をされている車種を名前を変えて販売しています。

スズキもダイハツも現時点では新たな開発投資はしていなくて現状維持の方針をとっていると噂されています。やはり開発投資にはコストがかかり、軽トラックなどの商用車は乗用車と比べて値段を安く設定しており利益率が低いです。販売価格を高くしても販売の対象となるのは私達のような中小個人事業者ですからいくら必要でも高くなれば、買い替え年数を伸ばしたり中古車を求めて行きます。

それとこれからは環境問題にも対応しなくてはなりません。少し前までは三菱自動車が軽トラックのEV化に挑戦し、販売していましたが現時点ではラインナップから消えています。

噂ではホンダが新たに「アクティートラック」のEV化に挑戦しているとか??

最後に。

私達中小個人事業者にとってはガソリン車でもEV車でも何でもよくて時代についていくしかなく、一番恐れているのは軽トラックが生産販売されなくなる事です。

私のような山間部の農家などは軽トラックでなければ入っていけない畑があり軽トラックは必要不可欠な存在です。メーカーさんも利益ばかりを考えず日本の産業を守る為にも生産を続け、国もメーカーさんをバックアップして軽トラックを存続させてほしいです。

長くなりましたが今回は軽トラックについてのお話でした。

今回も最後までおつきあいいただき、ありがとうございました。🙏