台風2号の爪痕もまだ癒えぬ我が有田地方に、またもや台風7号が上陸しつつあります。
しかし、つい最近まで日照りに悩まされていた有田地方のみかん農家達にとっては、待ちに待った降雨でもあるのです。
日照りか災害かという、相反するジレンマを抱えながら、お盆の最中に台風対策に追われるのです。
神の恵みか悪魔のいたずらか?
何年か前に、先輩農家さんから聞いた話によると、「私達の有田地方は、近畿地方の和歌山県にあるが、この有田地方だけは、気候が瀬戸内気候で雨が少ないのだ!」との事です。
確かに和歌山県でも有田地方は比較的雨が少なく、黒潮海流の影響で温暖です。
ですので、夏場には雨量が少なく、台風がもたらす雨に頼る所も大きいのです。
だからと言ってこの時期の災害は農産物の品質にも大きく影響を与えますので、非常に注意が必要です。
台風の進路は正確にはわからない。
いくら、スーパーコンピューターで計算しても、100%天気予報はあたりません。
空気の流れというのは、それくらい予測がつきにくいものらしいです。ですから台風が来そうであれば、前もって備えが必要です。
例えば、水が浸水しそうな場所から機械類などを移動させたり、暴風対策で果実を枝吊りしたり、ロープで固定したりとかする対策が必要です。
いくら灌水しても自然の雨にはかなわない。
7月前半の梅雨明けからの晴天続きと記録的な高温続きで、みかんの木も例年以上に疲弊し水分ストレスがかかり、落葉も目立つようになって来ました。
8月に入ってから各地で灌水作業が確認され、この私も、中3日サイクルで灌水作業に追いやられていました。
しかし灌水作業とは、あくまで雨が降るまでの延命作業であり、自然の降雨にはかないません。
灌水は川や用水路から汲み上げただけのただの水分ですが、空から降る雨は大気中のチッソやミネラルを含み、自然の栄養剤でもあるのです。
いい事もあれば悪い事も!
何事も一長一短!日照りからの台風待ちの降雨への期待から災害への懸念。
路地栽培は気象的なリスクが多い反面、施設栽培などと比べて、初期投資が少なくすみます。
しかし気候的な要因での栽培リスクがなければ、供給過多になり売り上げに影響します。
毎年どこかしらで起る自然災害も、生産調整になっているのです。
まとめ。
ついこの前まで、日照りと高温で雨を待っていたかと思うと、今度は台風上陸の心配です。
大きな災害は勘弁してほしいですが、まとまった雨は大歓迎です。
これから秋に向かっては、果実肥大期に入りますので、雨の恵みは必要です。
しかし災害に関しては前もっての対策が非常に大事です。
しかし自然の力ははかないませんので、「なるようになるさ!」と言う心構えで用事しております。
大した被害が出ない事を祈ります。
今回も最後までお付き合いいただき、ありがとうございます。🙏